考えることが 罪?1953年、あらゆる自由が制限されていた白色テロ時代の台湾で語ることをあきらめなかった彼女たちの物語――考えることが 罪?1953年、あらゆる自由が制限されていた白色テロ時代の台湾で語ることをあきらめなかった彼女たちの物語――

7/26金より全国順次公開
メイジャーメイジャー
監督:周美玲(ゼロ・チョウ) 原作:曹欽榮(ツァオ・シンロン)
出演:余佩真(ユー・ペイチェン)連俞涵(リエン・ユーハン)
徐麗雯(シュー・リーウェン)
徐韜(シュー・タオ)莊岳(ジャン・ユエ)
脚本:周美玲、吳旻炫(ウー・ミンシュアン) 
製作総指揮:姚文智(ヤオ・ウェンチー)
製作:張永昌(チャン・ヨンチャン) 主題歌:曹雅雯(ツァオ・ヤーウェン)
協力:臺灣電影公司 監修協力:江口洋子  日本語字幕:青井哲人+亭菲
後援:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
【2022年/112分/台湾/DCP/5.1ch】
© thuànn Taiwan Film Corporation 配給:太秦

Introduction

彼女たちは<自由な思想>を持っただけで政治犯として、ある島に送られた-

日本統治時代が終わり、1949年に中国での共産党との戦いに敗れた蒋介石とともに台湾にやってきた台湾国民政府による、恐怖政治下で戒厳令が敷かれていた時代「白色テロ」。台湾南東岸に位置する面積約16平方キロの自然豊かな島・緑島*。第二次大戦後、この島には30年以上もの間、政治犯収容を目的とした教育施設と監獄が置かれていた。思想改造及び再教育を目的とした「新生訓導処*」は1951年から1970年まで設置され、収監された人々は名前でなく番号で管理されていた。

映画のタイトルとなった『流麻溝十五号(原題:流麻溝十五號」)』は、身分も年齢も違う女性たちが収容されていた住所である。当時、政治思想犯として拘留されていた者の中には14歳の子どももいた。今回、監督を務めたのはこれまでも一貫してジェンダー平等の視点から数々の作品を手掛けてきた周美玲(ゼロ・チョウ)。高校生・余杏惠(ユー・シンホェイ)を演じたのはシンガーソングライターとしても活動する余佩真(ユー・ペイチェン)。モダンダンサー・陳萍(チェン・ピン)を演じるのは数多くの作品に出演している連俞涵(リェン・ユーハン)。一児の母で看護師でもある嚴水霞(イェン・シュェイシア)を演じるのは、2008年に日本公開した周美玲監督作『彷徨う花たち(原題:漂浪青春)』で映画初出演を果たし、女優業にとどまらず、監督、脚本家、作家と活躍する徐麗雯(シュー・リーウェン)。

民主化の道を歩み始めて37年―。台湾初の女性政治犯を扱った映画を日本公開する。

  • ◆緑島:台湾の南東岸に位置する面積約16平方キロの小さな島。日本統治時代は火焼島と呼ばれ、戦後の1949年に緑島と改名された。
  • ◆新生訓導処:政府単位の管轄下にある訓練組織で、1950年に台北の内湖に設置されていたが、1951年に緑島に移される。思想犯や政治犯を監督し更生させるための最大の強制収容所であり、労働更生と思想改革の二重の機能を果たしていた。当時、各部隊は120~160人。最大収容人数は2000人を超え、計12部隊で構成されていた。その内の第6部隊に当たるのが女生分隊だった。

Story

彼女たちは<自由な思想>を持っただけで政治犯として、ある島に送られた-

1953年、自由を口にするものは政治犯としてすぐに捕まる時代。政治的弾圧が続く中、罪を課せられた者は思想改造および教育・更生のため緑島に収監されていた。連行された者たちは、名前ではなく番号に置き換えられ、囚人として「新生訓導処」に監禁、重労働を課せられる日々を余儀なくされた。

純粋な心を持つ、絵を描くことが好きな高校生・余杏惠(ユー・シンホェイ)。ひとりの子どもが生まれて間もなく投獄された正義感の強い、看護師・嚴水霞(イェン・シュェイシア)。妹を拷問から守るため自首して囚人となった陳萍(チェン・ピン)。

次々と迫る不条理に対しても思考は止めず台湾語、北京語、日本語などあらゆる言語を駆使しながら一日一日を生き延びようと過ごす人々。時の為政者は何をしてきたのか。考えることは罪なのか。これまで閉ざされていた歴史に、また一つ光が射す。

Cast

余杏惠

余佩真ユー・ペイチェン

余杏惠ユー・シンホェイ

絵を描くのが得意な17歳の高校生。学生組合に参加したことがきっかけでスパイ容疑をかけられ、犯罪に巻き込まれる。一部の寮生からは杏子(きょうこ)と呼ばれている。
連俞涵

連俞涵リェン・ユーハン

陳萍チェン・ピン

25歳の時、姉と澎湖に亡命。 妹を守るためスパイ(共産党)と自首し、懲罰を受けることに。新生訓導処では舞踊団に入団している。
嚴水霞

徐麗雯シュー・リーウェン

嚴水霞イェン・シュェイシア

32歳、しっかり者で正義感あふれる性格の看護師。外部団体への参加、禁止図書の閲覧が原因で収監される。寮の中で厳(げん)さんと呼ばれており、読書や勉強、自由な発想の大切さを教えながら、女子寮の寮長のように皆の面倒を見ている。

Director

周美玲

周美玲ゼロ・チョウ

ドキュメンタリーでキャリアをスタートさせ、のちに長編映画へ転向。哲学的かつ文学的な作風で、運命思想を取り入れて主に女性の感情をモチーフにしている。長編デビュー作『Tattoo-刺青』はベルリン国際映画祭でテディ賞を受賞。他の作品でも台北金馬映画祭ほか、数々の国際映画祭で賞を受賞している。

受賞歴

  • 『豔光四射歌舞團』(2004年)
    台北最優秀台湾映画賞受賞
  • 『Tattoo-刺青』(2007年)
    ベルリン国際映画祭テディ賞受賞
  • 『彷徨う花たち』(2008年)
    シネゴアック芸術祭 出品

監督コメント

“What is the sin of thinking?"―考えることの罪とは?
“Why is it a sin to think? "―なぜ考えることが罪なのか?

考えようともせず、考えることをやめてしまう―
そんな日が自分に訪れたら、どんなに悲しいだろう

『流麻溝十五号』は、考えることをやめられない女性政治犯たちを描いています。

彼女たちの心は解放されます。しかし、その思想のせいで肉体は監禁され、虐げられ、殺されてしまうのです。

このような不条理が起こったのは遠い過去ではなく、私たちの祖母の世代は
今なお消えない恐怖を抱いているかもしれません。

これらの不条理が終わり、永遠になくなることを心から願います。
しかしながら世界の他の場所では、今なお同じことが繰り返されているのが現実です。不条理に対して私たちにできることは、忘れ去られないように物語を語り継いでいくことだけ。

そうしないと、いつまた不条理の脅威が戻ってくるかわからないのです。

Theaters

7/26(金)思想無罪
ヒューマントラストシネマ有楽町/シネマート新宿/シネマート心斎橋
全国共通特別鑑賞券 1,500円(税込) 絶賛発売中!劇場窓口、メイジャーにてご購入の方に“台湾版ビジュアルステッカー”をプレゼント!
全国共通特別鑑賞券 1,500円(税込) 絶賛発売中!劇場窓口、メイジャーにてご購入の方に“台湾版ビジュアルステッカー”をプレゼント!
※全国共通特別鑑賞券は、一部の劇場のオンライン座席指定予約には使用できません。
※ステッカーは数量限定となります。
メイジャーメイジャー
2025年1月30日現在

北海道・東北

地域 劇場 公開日 備考
北海道 シアターキノ 上映終了
北海道 シネマ・トーラス 上映終了
青森 シネマディクト 上映終了
岩手 盛岡ルミエール 上映終了
宮城 フォーラム仙台 上映終了
山形 フォーラム山形 上映終了
山形 鶴岡まちなかキネマ 上映終了
福島 フォーラム福島 上映終了

関東

地域 劇場 公開日 備考
東京 ユーロスペース 2025年2月8日~14日 第14回死刑映画週間内で上映
栃木 宇都宮ヒカリ座 上映終了
栃木 小山シネマロブレ 上映終了
茨城 シネプレックスつくば 上映終了
茨城 あまや座 上映終了
千葉 ユナイテッド・シネマ テラスモール松戸 上映終了
千葉 千葉劇場 上映終了
千葉 キネマ旬報シアター 上映終了
東京 アップリンク吉祥寺 上映終了
東京 MOVIX昭島 上映終了
東京 ヒューマントラストシネマ有楽町 上映終了
東京 シネマート新宿 上映終了
東京 キネカ大森 上映終了
神奈川 横浜シネマ・ジャック&ベティ 上映終了
神奈川 あつぎのえいがかんkiki 上映終了
埼玉 MOVIX三郷 上映終了
埼玉 シネプレックス幸手 上映終了
埼玉 川越スカラ座 上映終了
群馬 シネマテークたかさき 上映終了
群馬 前橋シネマハウス 上映終了

信越・北陸

地域 劇場 公開日 備考
新潟 シネ・ウインド 2025年2月8日~
長野 長野相生座・ロキシー 上映終了
長野 松本CINEMAセレクト 上映終了
石川 シネモンド 上映終了
富山 御旅屋座 上映終了

東海

地域 劇場 公開日 備考
静岡 静岡シネ・ギャラリー 上映終了
静岡 シネマイーラ 上映終了
愛知 伏見ミリオン座 上映終了
愛知 ミッドランドシネマ名古屋空港 上映終了
愛知 刈谷日劇 上映終了
岐阜 岐阜CINEX 上映終了

近畿

地域 劇場 公開日 備考
京都 京都シネマ 上映終了
大阪 シネマート心斎橋 上映終了
大阪 第七藝術劇場 上映終了
大阪 MOVIX堺 上映終了
兵庫 元町映画館 上映終了
兵庫 シネ・ピピア 上映終了
兵庫 洲本オリオン 上映終了

中国・四国

地域 劇場 公開日 備考
岡山 シネマ・クレール 上映終了
広島 サロンシネマ 上映終了
広島 福山駅前シネマモード 上映終了
山口 山口情報芸術センター[YCAM] 2025年2月13日~
山口 萩ツインシネマ 上映終了
香川 ソレイユ 上映終了

九州・沖縄

地域 劇場 公開日 備考
福岡 KBCシネマ 上映終了
福岡 ユナイテッド・シネマなかま16 上映終了
福岡 ユナイテッド・シネマ トリアス久山 上映終了
佐賀 シアター・シエマ 上映終了
長崎 長崎セントラル劇場 上映終了
大分 大分シネマ5 上映終了
宮崎 宮崎キネマ館 上映終了
熊本 Denkikan 上映終了
鹿児島 ガーデンズシネマ 上映終了
沖縄 桜坂劇場 上映終了